フィルムヒーターとは

フィルムヒーターとは
フィルムヒーターとはプラスチックフィルム状のヒーターのことを言います。フィルム上にある導体線に電気を流し、電気抵抗による発熱でフィルム自体が温まることで、フィルムヒーターとして機能させることができます。
当社が保有するラミネート技術と微細配線技術によって構築した配線パターンにより、高光線透過率を必要とする部分に対して最適な配線パターンを施すことで、防曇、解氷機能を実現いたします。

フィルムヒーターの原理・構成

銅線やニクロム線などの導線に電気を流すと電気抵抗で熱が発生します。フィルムヒーターはプラスチック製のフィルムに銅線を設置し、電気を流す事によりフィルム自体を温めます。当社のフィルムヒーターは3タイプの構成がありますので、お客さまの用途にあったものをお選びいただけます。

【 構成① 】
構成1

基材にワイヤー埋め込みのみの状態

【 構成② 】
構成2

プレス処理によりワイヤーを基材に埋め込み平坦化

【 構成③ 】
構成3

同一基材でラミネート

仕様

項目

特性

パターン形状

様々なパターン形成可能

パターンサイズ

Max 350 x 280mm
(フィルムサイズ Max 600×400㎜)

パターン間隔

Min 0.3mm

基材種および厚さ

PC(ポリカーボネート)
PETG(グリコール変性ポリエチレンテレフタレート)など
両面ラミ、単層タイプ共に可能
基材厚 75um~(基材種による)

項目

特性

配線材質

銅、ニクロム(NiCr)、カンタル(FeCrAl)、タングステン等

配線径

Φ0.05mm ー 0.12mm

用途

融雪・解氷機能、曇り防止、保温
加熱対象への貼り付けなど

フィルムヒーターの使い方・活用事例

温めたいものがある、雪を溶かしたい(解氷)、曇らせたくない、結露をなくしたいそんなお悩みがありましたら、フィルムヒーターはいかがでしょうか。
フィルムヒーターといえば主に自動車・鉄道・住設・医療業界などでのご使用が多く考えられますが、当社のフィルムヒーターはお客さまの用途に沿った配線成形が可能なため、上記のようなお悩みがありましたら、業界問わず、ぜひお気軽にお問い合わせください。製造受託のご相談もお受けしております。
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自動車関連

車

自動運転等のセンサー周り

LEDライト関連

電車

LEDライト融雪用ヒーター

加熱ステージ関連

顕微鏡の加熱ステージ

顕微鏡などの加熱ステージ

住宅設備、インフラ関連

洗面台の曇り止め

洗面台の曇り止め

監視カメラ

監視カメラ用ヒーター

信号

信号、標識用ヒーター

フィルムヒーターの特長

ヘッドライト

自動車のヘッドライトにフィルムヒーターを貼っています。見た目の影響がほぼありません。

・ 細い金属線を利用しているため、見た目への影響が少なく、厚みの薄いヒーターを形成することができます。
・ 低抵抗金属線を利用することにより、低電圧でもヒーターとして作用させることが可能です。
・ 一定線径の金属線を利用するため、抵抗変動が小さく、温度ムラも少ないです。
・ 面状でなく金属線パターンヒーターのため、電磁波が透過します。
・ エッチングに比べ、廃液や廃材が少なく環境に優しいです。
・ CADデータを変更することで配線パターンの変更が可能です。
・ 版を必要としないため、少量多品種であってもコスト的にメリットが出せます。また、イニシャルコスト自体も安価になります。

フィルムヒーターの温度特性

フィルムヒーター折れ線グラフ

図1

サーモグラフィ画像

図2

基材:PET-G
シートサイズ:
600×400mm
ヒーターパターン:20mm間隔で全面に形成
ヒーター線:被覆銅線Φ100µm(16.8Ω)
印加電圧(V):10(5.95)、15(13.39)、20(23.81)、
         25(37.20)(括弧内=消費電力W)

【フィルムヒーターの温度特性】
 
図1に各印加電圧による昇温時間とフィルムヒーター温度図を示します。フィルムヒーターでは印加電圧を高くするほどより早く、より高温になります。また、印加電圧により飽和する最高温度も変化しますが、印加電圧に関わらずおおよそ300秒で飽和温度に達します。
図2に実際のフィルムヒーターの表面温度状況をサーモ装置で撮影した写真を示します。フィルムヒーターに使用してる金属ワイヤー部分が発熱している事が分かります。印加電圧、時間により発熱温度が変化します。

他方式との違い

フィルムヒーターには様々な製造方法があります。他方式で製造したものと当社のフィルムヒーターの違いを解説いたします。

他方式のフィルムヒーター

当社のフィルムヒーター

【エッチングによるヒーター線形成】

エッチングはエッチング廃液や廃材が多く出るため、環境にやさしくない

 一般的な銅線やニクロム線などをフィルムに配置させるだけなので環境にやさしい
【印刷によるヒーター線形成】

✖ 印刷精度がそのままヒーター精度になるためバラツキが大きくなりやすい

✖ 銀インキなどを使用する場合、高価になる

〇 エッチングや印刷と違い導電部がワイヤーなので切れにくく、抵抗値などが安定、物理的にも強い
〇 一般的な銅線やニクロム線などを使用しているため安価

【透明導電層による面上ヒーター】

✖ ITO等、透明導電材料が非常に高価

〇 配線材料に銅やニクロムを使用する場合、安価

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▼フィルムヒーターについて▼

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