タックラベルの剥離紙/剥離フィルム
「剥離紙/剥離フィルム」は多くの場合、ラベルを対象物に貼り付けた際にその役目を終えます。使用後は廃棄する部材になるため、リサイクル可能なものも広く使用されています。本記事は、タックラベルの「剥離紙/剥離フィルム」に焦点を当てて解説します。
タックラベルの剥離紙/剥離フィルム
タックラベルの剥離紙/剥離フィルムは、粘着面を保護するだけでなくタックラベルそのものの品質や性能、コストを大きく左右する部材です。また、ラベルの製造・加工時の台紙としての役割があります。剥離紙/剥離フィルムはライナーやセパレーターなどとも呼ばれています。
タックラベルの構成
剥離紙の基本構成
剥離紙には、ベースとなる「剥離原紙」が紙系素材からなる剥離紙と、フィルム系素材の剥離フィルムの2種類があります。それぞれの「剥離原紙」の表面には「剥離剤」がコーティングされており、紙系素材の「剥離原紙」と「剥離剤」の間には、一般的に「バリア(目止め)層」が設けられた3層構成になっています。紙系素材はインキをはじめ剥離剤等も染み込みやすい素材のため、剥離剤が染み込まず、均一に塗布されるようにバリア(目止め)層が必要になっております。
剥離原紙の種類
紙系剥離原紙
紙系剥離原紙には、素材として上質紙やクラフト紙、グラシン紙が使用されています。
・上質紙、クラフト紙
厚口でコシがあるため、一般的にはシート状に仕上げる場合に使用されます。手で貼るラベルやステッカーに適しています。
黄クラフトセパレーター(黄セパ/キセパ)
・グラシン紙
薄口でコシがないため、多くはロール状に仕上げる場合に使用されます。ラベラーなどの自動貼り機を用いるラベルの剥離紙には光透過性の高いものが要求されるため、グラシン紙が最適です。
青グラシンセパレーター(青セパ/アオセパ)
フィルム系剥離原紙
フィルム系剥離原紙には、通常PET(ポリエステルフィルム)が素材として使用されます。紙系のものよりコスト高になりますが、紙粉などが発生しないためクリーンな環境でラベルを使用される場合や、平滑性が求められる場合に選ばれます。
透明フィルムセパレーター(透明セパ)
剥離剤
剥離剤には、ラベルを剥離原紙から剥がれやすくするための役割を持っています。タックラベルの“使いやすさ”を決めるのは、この剥離剤の性能によります。剥離剤はシリコーン系と非シリコーン系の2種類あり、一般的にはシリコーン系が使われていますが、シリコーンが悪影響を与えやすい電子機器用途などでは非シリコーン系が使用されます。
バリア(目止め)層
バリア層には紙系の剥離剤が剥離原紙に染み込まないようにする役割があり、バリア層が設けられているラミネートタイプの他に、設けられていないダイレクトタイプもあります。
ラベル台紙(剥離フィルム)の新たな取り組み
トッパンインフォメディアは今までゴミとして廃棄していたラベル台紙を資源として再利用する「資源循環プロジェクト」に参画しております。従来使用している「剥離紙」をエコな素材で設計された専用剥離フィルムに置き換えることで使用済みのラベル台紙を資源として回収し、リサイクルすることが可能になる取り組みとなります。
⇒「資源循環プロジェクト」への当社の取り組みもご覧ください。
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